ここでは『陰陽五行説』の『陰陽』のお話をさせていただきます。
『陰』と『陽』という存在は「陽(プラス)=良い」「陰(マイナス)=悪い」という関係ではありませんので、覚えておいていただければと思います。
身近な生活に見られる「陰」と「陽」
真夏の暑い日にはアナタもアイスクリームやかき氷を食べたりしていませんか?
暑くて体感温度が上がると冷たいものを欲するのが人間の習性です。
逆に寒い冬は鍋などの暖かいものを食べたくなりますよね。
これはまさに、私たちの身体が「陰」と「陽」のバランスをとろうとしているのです。
「陰」と「陽」は私たちの普段の生活の中にも自然に生じています。
陰陽論
この「陰」と「陽」の関係を一つの理論として唱えたのは古い中国の思想です。
地球上の自然界に存在する森羅万象のすべては「陰」と「陽」に分けられる、という考え方です。
その「陰」と「陽」という対立する性質を持った「気」が存在し、お互いに関係しあうことで、私たちを含む自然界は成り立っています。
「陰」と「陽」って具体的にはどんなものがあるの?
そこで、陰と陽のそれぞれの具体例をいくつかご紹介いたしますね。
陰と陽の関係
これらの相反する二つの存在は、互いに必要としあう関係であってどちらか片方では成り立ちません。
お互いに補い合ったり、引き合ったり、混ざりあったりしながら、つねに変化をしながらもバランスをとって存在することで、うまく成り立っているのです。
それを図に表現したのがこちらの図です。
おなじみかと思いますが『太極図』と呼ばれているものです。
陰陽太極図
この図は黒色が「陰」、白色が「陽」を表しています。
陰と陽を表現したならば「なぜこんな形になるの?」
と疑問に感じるのではないでしょうか?
それは、陰が多くて陽が少ない部分もあれば、陰が少なくて陽が多い部分もあるからで、お互いがバランスをとって成り立っていることがうまく表現されています。
陽極まれば陰となる
太極図の中心付近から見て、時計の12時のあたりを見ていただければお分かりいただけると思いますがほとんどが白色、つまり陽ですよね。
それを、時計回りに右に視点をずらしていくと黒い部分が出てきて少しずつ増えていきます。
そして6時のあたりではほとんどが黒色、つまり陰に変わっていきます。
これを表現した言葉が
「陽極まれば陰となり、陰極まれば陽となる」です。
勾玉
あなたもすでにお気づきかもしれませんが、この太極図は二つの『勾玉(まがたま)』が合わさった形になっています。
勾玉は神社のお守りなどでご覧になったことがあるかもしれません。
太極図に勾玉の穴にあたる部分がありますよね。
白い勾玉には小さな黒い円、黒い勾玉には小さな白い円が描かれています。
黒い円を「陽中陰」、白い円を「陰中陽」と呼びます。
これが意味するのは、「陽」の中にも必ず「陰」が存在し、「陰」の中にも必ず「陽」が存在して100%「陽」、100%「陰」ということはありえないということです。
まとめ
太極図をもとに『陰』と『陽』のお話をさせていただきました。
この世界に存在するものや起こることには「陰」と「陽」の両面があります。
どちらが悪くてどちらが良いということではありません。
存在するバランスが大事なのです。
落ち込んだり、気がめいっていて元気がない「陰」の状態のときには、下着や服に赤やオレンジの暖色を用いてみましょう。
冷静な判断が必要な日に興奮して気持ちが高ぶっていたり、気持ちが落ち着かない「陽」の状態のときには、青や水色の寒色を用いてみましょう。
ときには黒も必要です。
これもアナタの「陰」と「陽」の状態を「陰」と「陽」のアイテムやカラーを用いてバランスを保つ風水学の一つの手法です。